昨日、町の小さな呉服店に用があって訪問した。今では珍しい個人経営の古びたお店だ。そこの奥さんは先日白内障の手術をして、昨日退院していた。
奥さんに手術後どうですか?と聞くと、
いいことと悪いことがあってと笑っていた。
いいことは、もちろんハッキリいろんなものが見えるようになったこと。見えすぎて怖いくらい。看板の文字もテレビもよく見えるようになった。
ならいいじゃない。悪いことなんて何もないんじゃないの?というと、
いや私、こんなに老けていたとは知らなかった。こんなにしわが多いとは思わなかった。視力が回復して、現実を思い知らされたと言っていた。
こういう時、私はなんと言うべきなのか?
そんなこと気にすることないっすよ~っていうのも、その通り老けてますって言ってる感じだし、いやいや、全然そんなことありませんよ、まだまだ若いですよってのも、白々しいかと思ったが、そう言った。
笑ってくれたので正解だった気がする。いや、知らんけど。
鏡に映った自分の顔が今までは白内障で薄く紗がかかった感じの軟焦点効果で、ぼやけて柔らかく映っていた。そのことに気が付かず、自分の顔に疑いを持っていなかったが、手術でハッキリクッキリ見えるようなって、ショックを受けたということ。
いくら年配の方であれ、自分の老いに気づいたとき愕然とするものなのだろう。
私もトシを感じることが多々あるのだが、最初にもうトシだと思ったのは、かなり前だが、アダルトビデオの「熟女」モノをこっそり見ていたときだ。
そして気が付いた。
熟女が年下。
これにはトシを感じたね。悲しくなった。
涙ふく木綿のハンカチーフください。