短い雑記

名乗るほどのものではないオッサンの短い雑記です。含蓄のある事、書けと言えば書けますよ。生存確認用ブログです。

【要約】【本棚紹介】何度も読みたい本だけ集めた本棚ツアー part.1【読書の放課後】

「彗星読書倶楽部」のYouTube動画「【本棚紹介】何度も読みたい本だけ集めた本棚ツアー part.1【読書の放課後】」では、スピーカーが自身の本棚の一部を公開しています。この本棚には、何度も読み返したい本読んでいる途中の本、そして小説を書く際の資料として使いたい本が収められており、そのラインナップは時期によって変わるとのことです。

紹介された本とその主なコメントは以下の通りです。

  • 森鴎外「阿部一族・舞姫」(新潮文庫):森鴎外の作品全体を通して、文章の書き方、特に段落の構成(第1文で状況を事実として書き、2-3文目で補足説明や感想を述べる)に注目していると述べられています。鉛筆で線を引きながら読むスタイルです。

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  • 芥川龍之介「河童・或る阿呆の一生」:最近購入した本で、詩人の吉増剛造さんの展覧会に触発されて「河童」を読もうと思ったのがきっかけです。吉増さん本人から贈られたダーマトグラフという特殊な色鉛筆を使って、東京の水辺に関する記述などにマーキングをしているとのことです。小説は「汚すように」読むことを心がけています。

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  • ゴーゴリ「外套・鼻」(岩波文庫):古い訳だが現代でも楽しく読める一冊で、「外套」は世界文学、特に近代小説の源流として非常に重要だと評価しています。

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  • カミュ「異邦人」:ボロボロになるほど読み込んでおり、現在この本の解説動画を作成中だそうです。部分的に読み返したい箇所には縦に、ページ全体が重要な箇所には横に付箋を貼っています。

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  • サン=テグジュペリ「夜間飛行・南方郵便機」:「星の王子さま」よりも「夜間飛行」の過酷な飛行の世界を高く評価し、その魅力について「水星読書セミ」で解説したと述べています。
  • スタインベック短編集(大久保康雄 訳):今年購入した短編集の中でトップ3に入るほど好きな作品群で、特に「朝飯(ブレックファスト)」という短編を挙げています。昔のサントリーのCMに触発されて読み始めたそうです。

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  • 柳田國男「海上之道」:もし人生で一人の書き手の全集しか読めないとしたら、ニーチェの全集か柳田國男の全集を選ぶだろうと述べるほど、その文章を高く評価しています。日本の民族的・文化的ルーツが南方にあることを記したエッセイなどが収録されており、大学生の頃に購入し、今でも徹夜して読み込んでしまう傑作だとのことです。

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  • カミュ「シーシュポスの神話」:「異邦人」と同時期に書かれた哲学的エッセイで、実存主義を独自の定義で語るため、読み応えのある一冊として推奨しています。

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  • 上田秋成「雨月物語」:個人的な好みとは違うものの、自身が執筆中のホラー小説のエッセンスを取り入れたいという理由で置かれています。特に「夢応の鯉魚」を、現実と夢の世界の使い方が巧みであるとして挙げています。日本文学史上は非常に重要な本だと位置づけています。

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  • 夢野久作「瓶詰の地獄」(角川文庫):「死後の恋」と「死なないで」が収録されており、人間のはかなさを感じさせる夢野久作らしい傑作だと評価しています。夢野久作と江戸川乱歩は国民の必修にすべきだと提言しています。

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  • 岩井志麻子「あっちがねー」(角川ホラー文庫):角川ホラー文庫のロングセラー「ぼっけえ、きょうてえ」の正統な後継作であり、人間のはかなさを描いた4編の短編集として絶賛しています。岩井志麻子をホラー作家として非常に優秀な人物だと評価しています。
  • いおたこういち「マルシナリア」:画家であるいおたこういちさんのショートショート、詩、随筆、談笑を収録した本で、挿絵もいおたさんによるものです。多用な語彙で彩られていながら読みやすく、語彙の多さが世界の解像度を高めるという洞察を述べています。一般の書店にはあまり流通しておらず、いおたさんのオンラインストアや渋谷文化村のNADiFF modernなどで入手可能だと説明しています。
  • ブルーノ・シュルツ「全小説」:スピーカーの人生を左右するほど大切な一冊で、鉛筆での書き込みがびっしり残されています。ポストイットでは足りず、書き込みに移行した跡が残るほど読み込まれており、詩のような言葉で書かれたこの小説は人類が生み出した素晴らしいものだと評しています。

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  • ホッケ「文学におけるマニエリスム」(平凡社ライブラリー):美術史家ホッケが提唱した「マニエリスム」(完璧さを目指す絵画の後に流行するデフォルメ的な絵画様式)という概念を文学に応用した分厚い評論です。種村季弘の翻訳は苦労の跡が見られるが、その難しさゆえに何度も読みたくなる本だと述べています。

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  • ナボコフ「ロリータ」:読み応えのある小説で、20世紀の小説で最高の出だしを持つ作品として有名です。注釈などを気にせず一気に読むのが良いと推奨しています。大江健三郎が解説を執筆していることからも、その歴史的重要性を示唆しています。

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  • 堀江敏幸「オパールの書」:堀江敏幸の初期短編集で、スピーカーが最も好きな作品です。生活の中に美しさを見出しつつ冒険が繰り広げられる内容で、全く退屈させない点を評価しています。
  • コリン・ウィルソン「アウトサイダー」:コリン・ウィルソンのデビュー作であり、貧乏暮らしをしていた20代の天才が書いた長編評論です。スピーカーにとって「文章家としてのヒーロー」であり、このような本の書き方があるのだと勇気づけられる本だとしています。

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  • 野坂昭如「エロ事師たち」:日本で書かれた小説の中でこれ以上に面白いものがあるか、と言いたくなるほど面白いと絶賛しています。VHSがない時代にポルノビデオを制作したり、「プロの処女」を紹介したりする、エロ産業で働く男たちを描いた作品です。

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  • ホワイティング「東京アウトサイダーズ」:「東京アンダーワールド」の第2巻にあたるノンフィクションで、GHQ占領下およびその後の東京が外国人によって牛耳られ、えげつない世界だったことがよく分かると述べています。創作の資料としても繰り返し読んでいるそうです。

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  • フェルディナンド・セリーヌ「世の果てへの旅」(集英社文庫):フランス小説の常識を覆すような罵詈雑言に満ちた、人類への呪詛のような小説であり、定期的に読みたくなる良い小説だとしています。下巻よりも上巻が面白いので、上巻のみを置いているとのことです。

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  • デビッド・ロックフェラー「回顧録」(新潮文庫):億万長者の世界や個人的なエピソードが興味深く、非常に良い本だと評価しています。
  • 夏目漱石「三四郎」:夏目漱石の作品の中で最も好きで、言葉遣いよりも場面展開やイメージのギミックの使い方が抜群にうまいと評しています。

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  • 堀江敏幸「燃焼のための習作」(講談社文庫):個人的な好みとは異なり、創作における文体の資料として活用している本です。

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  • フーコー・コレクション(ちくま学芸文庫):2冊あり、1冊はミシェル・フーコーの業績をまとめたもの、もう1冊は「文学審判」と題されたフーコーの評論や講演録です。後者は、レビューの対象となっている小説のほとんどが未翻訳であるため、読者を選ぶ内容でありながら、フーコーの文章の書き方や知見が滲み出てくる面白さがあると述べています。

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このほかにも、「ドグラマグラ」やサン=テグジュペリの「人間の土地」、ジェイムズ・P・ホーガンの「星を継ぐ者」なども本棚にあるが、別の機会に紹介するとしています。

 

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