短い雑記

名乗るほどのものではないオッサンの短い雑記です。含蓄のある事、書けと言えば書けますよ。生存確認用ブログです。

『社長失格』ベンチャー起業、必読の一冊

本を読むまで、板倉雄一郎さんについて詳しく知らなかったのですが、かつてはITのベンチャー企業で知らない人はいないくらい有名な方だったようです。彼は孫正義さんや堀江貴文さんの世代に属する方でした。本書では、彼が「社長」としての当事者として、また一人の人間として、会社や関係者に対する思いや、自らに対する過信や絶望など、当時の感情や状況がリアルに描かれています。非常に読み応えがありました。

本書は、珍しい起業の「失敗体験」を強烈なストーリーで追うことができます。会社の経営においてお金の流れの管理が極めて重要だということを痛感させられる内容です。藤田氏との違いは、資金調達を融資による間接金融かエクイティによる直接金融かという点ですね。サイバーエージェントは1997年のハイパーシステムの倒産後に設立されましたが、その頃は東証マザーズ(1999年設立)がまだ存在しておらず、上場のハードルが高く、銀行が無担保で融資を積極的に行っていたため、ハイパーシステムの資金調達手段のほとんどが銀行による融資でした。結果的にアジア経済危機などの影響でBIS規制が厳しくなり、銀行の貸し剥がしによってハイパーシステムは倒産してしまいました。一方、サイバーエージェントはマザーズ上場によって200億円超の資金を持っていたため、事業を立て直すことができました。

本書を通じて、成長するために必要な要素や、失敗する要因について深く考えさせられました。

 

 

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