読みましたよ。いい作品でした。
カズオ・イシグロ氏。恥ずかしながら、今年のノーベル文学賞を受賞したことで知りました。それまで知りませんでした。
ノーベル文学賞受賞がニュースとなったとき、早速アマゾンんで購入。代表作ということなのでとにかく読んでみようと思いました。
今までこんな格調高い文章を読んだことがなかった。しかし、違和感も拒否反応もなく読めました。終わりが近づくにつれ、なんとも言えないせつない気持ちにさせられました。ミス・ケントン(ミセス・ベン)との最後のシーン。映画のシーンを見るように情景や表情が浮かんできましたね。
ラスト・シーンで主人公スティーブンスのこぼれ出る感情は、夕日のように静かなものであったが、それまで品格のある執事としてそれを人に見みせず、溜めに溜め込んだものだと思うとズシ~ンと心に響いた。
文学作品といえば、最後まで読んで、はあ?なんだこりゃ?って何だかよくわからん終わり方をするのも多いというのが私の先入観としてあった。なんのこちゃ?って経験がよくあるが、この作品は私のような頭の悪いおっさんでも、その意味するところが非常に分かりやすく、読んだ後の納得感があります。
このトシで読んだことも大きな意味がありました。また、全編にわたりスティーブンスの言葉遣いは、スマートで学びが多かった。
ある意味私生活は悲劇的な主人公とは違い、私は幸い私生活では幸せな人生だと改めて実感しました。
貴重な一冊と出会った感じで、満足した時間であった。
読み終わり、毎年楽しみにしている、サッポロクラシック2017富良野ヴィンテージを飲む。なまらうまい。