先日、ビールを飲みながらyoutubeを見ていた。
たまに泣けるときがある。
「キセキ」を聴くと息子の少年野球を思い出して泣いたり、アンジェラ・アキの「手紙~拝啓 十五の君へ~」聴いて、息子も悩んだりしただろうと泣けたりね。
パソコンを開き、手元の新聞には高校の卒業式の記事が載ってた。
なぜか「3行ラブレター」を思い出し、youtubeで検索して見た。
泣けたね。崩壊しそうになった。
恋っていいね。
なに言ってんだこのおっさんと思うが、息子もどんな恋や失恋をしたのかな~と思ったり、若いっていいな~って思うと泣けたわ、「3行ラブレター」。
そして、自分の中学時代を思い出した。
学習塾のアルバイト講師の女子大学生を思い出したのだ。
塾といっても生徒6・7人の昔の小さな塾。
中学生から見ると女子大生はお姉さんというより、大人だった。
あこがれた。
背も高くて、見てるだけでよかった。
真剣な顔が素敵だし、笑った顔も。
ある日、なぜか自分だけ居残りで短い時間授業を受けたことがあった。
机を挟み向かいに座る彼女。
テキストをなぞる細く長いきれいな指。
やっと解けた練習問題。
「できたね。」
彼女は笑いながらその両手で、僕の髪の毛をグシャグシャにした。
細めた目のやさしさが忘れられない。
あれほど心ときめいた瞬間はなかった。完全に好きになった。
しばらくして夏が終わる頃、
今日を最後に講師のアルバイトを辞めると知った。その日突然知った。
事前に知っている人も何人かいた。
なぜか僕は知らなかったのだ。
えっ?今日で辞めるの!?
ショックだった。
そして最後の授業が終わり、放心状態で僕だけ席から立てない。
教室を出て玄関でみんなとサヨナラする彼女。
最後に教室からでてきた僕。
「S君、これからもがんばってね」と彼女。
「今日で辞めるって知らなかった」と僕
そのときどんな顔していただろう。
怒ったような顔をしていたかもしれない。
いや、泣きそうな顔だったのかもしれない。
彼女は自分より背の低い僕に何も言わず近づき、あの時のように両手で髪の毛をグシャグシャにして微笑んだ。
なんで最後にそんなことを。
1回目はあんなにうれしかったのに、2回目の今は泣きたいくらい悲しい、髪の毛グシャグシャ。
髪の毛より、心のほうがグシャグシャになりそうだったので、何も言えず、そのまま逃げるように走って塾をあとにしてしまった。
帰り道、なんでこんな最後、なんでこれが最後なんだと涙が止まらなかったのを思い出す。
妻が息子にライン。
「また父さん、ユーチューブ見ながら泣いてるわ(笑)」