虫垂炎の腹腔鏡手術から一週間が経ち、今日は定年退職の日。
術後の傷の痛みがまだ残る中、約一週間ぶりに勤務先へ車で向かった。
けっこう車の振動が傷に響く。
今日が最後という感傷的な気持ちが全くわかない。
久しぶりの運転んと術後の痛みでそれどころじゃない。
事務所に着き、次の担当者に引き継ぎを行った。
思ったよりスタミナが無いことに気づく。
そして、最後は後輩みんなからねぎらいの言葉などをかけてもらい、花束と記念品をいただいた。
女子職員など一部うるうるしてくれている。
だが私は、うるうるくることもなく普通に笑顔で事務所を後にする。
来週月曜日から、大枠では同じ組織内の別の事務所に行くことになっているので、定年退職をした感じが全くない。
それどころか、この病み上がりのクソ体調の悪い状態で新たに仕事が始まることへの憂鬱と不安で感慨に浸る気にもならなかった。
明日明後日の土日でどれだけ痛みが消えるか、その方が心配なのだ。