甲子園への道はそれ自体ドラマだ。
各都道府県で予選の決勝が行われ、代表が出そろいつつある。
大接戦も多くある。
神奈川県はまさに頂上決戦というべき、横浜高校と東海大相模の宿命のライバル対決。結果は息詰まる投手戦の好試合だったが、横浜高校がサヨナラ勝ちで甲子園に駒を進めた。敗れた東海大相模の選手たちの涙はもらい泣きもんだ。
神奈川とか大阪は北海道や東京のように2校出してもいいような気がするけどな。
今日の富山県の高岡商と氷見高校の試合も大接戦。こちらは打撃戦で逆転に次ぐ逆転。最後は12-11で高岡商が勝った。両校涙で、こっちももらい泣きするわ。
決勝戦といえば最後の大一番で大接戦も多いが、昨日の奈良県決勝。
結果はなんと21ー0で天理高校が生駒高校を下して優勝した。
なんちゅう試合や?と思ったら違った。
生駒高校はコロナの影響で登録メンバー20人中12人の変更を余儀なくされ、外野以外全員本来のポジションとは違うところで必死に戦ったのだ。
奈良県といえば天理と智弁学園の2強の地区だが生駒高校は準決勝で智弁学園を破り決勝に初めて進出した公立校。
それが突然コロナのアクシデントで主力メンバーをほとんど欠いて戦ったのだ。
そんな状況で天理相手ならこのスコアも仕方がない。
その天理もすばらしい選手たちだったのだ。
9回、勝利まであと一人のところでマウンドに集まり主将の戸井君が「喜ぶのはやめておこう」とメンバーに声をかけたのだ。
普通優勝が決まればマウンドに集まり天に人差し指を突き上げ歓喜を爆発させるシーンが駒大苫小牧の優勝以来、定番のシーンのようになっているが、相手のことを思いやめようと決めたのだ。
「周りのことも考えてやれるようになったんだな。」と天理の中村監督は涙を流して話していたとのこと。
この話に私は泣きました。
相手への敬意も忘れもない天理の選手たち。
こうやって、野球を通して人間形成がなされることはすばらしいことだ。
このコロナ禍だから、どのチームでも起こりえる不運だったともいえるし、甲子園の本番でもありえるかもしれない。
ということで、毎年この時期は高校野球で泣くわ、ビール飲むわのオッサンです。
ラストミーティングは親もみんな泣くわ。関係ないオレも泣くし。
コロナの暗い影が甲子園にまでこないことを祈るばかりです。